元金和解とは
闇金では弁護士の介入で元金和解を提案してくることが多々あります。元金和解とは「元金(実際に貸し付けた額)を支払って和解しよう」という案。果たしてこれは安全な方法なのでしょうか?
闇金との交渉に長けている弁護士であれば元金和解を行うことはありません。その理由は一つ。
「闇金から借りたお金には返済義務がない」からです。
依頼者のよほどの希望がある場合には元金和解にも対応している弁護士もあります。
そもそも違法業者の闇金には現金を貸し付ける行為に特徴があります。
超高金利での貸付 | トイチ(10日で1割の利息)やトゴ(10日で5割の利息)など到底返済ができない利息をつけています。 |
---|---|
自由返済方式 | あまりに高額の利息で返済は当然できません。そのため元金ではなく利息だけの返済を許しており、元金の返済をさせない方法です。 |
追い貸し | 返済ができなければ追加融資によって返済額を確保させます。つまりまた元金が増えるということです。 |
実際に借りた額が10万円でも、利息を除いたとしてもどんどんと増えてしまった元金があります。その元金で和解しようというのは実は闇金の最後の悪あがきです。
元金和解を提案する理由
通常弁護士が介入すると闇金は手を引く場合がほとんどです。弁護士は受任通知を闇金に送ります。その内容には「弁護士が介入しました」「警察にも連絡をします」が含まれています。
警察が入れば当然闇金自体の営業ができなくなるため、この1件を避けるだけで全体のマイナスは防げるというのが闇金の考え方。そのため弁護士が介入すると手を引くことが多くあります。
一方で元金和解を提案するのは、弁護士が介入したら仕方がないがせめてマイナスにはしないようにしようとする闇金です。
ただし元金和解はゴリ押しされない傾向があります。闇金側からしても元金和解はダメもとの悪あがきです。1度提案があっても断るとその後に続くことはほぼありません。
弁護士に相談して失敗回避する
個人で闇金と対峙することは危険です。元金和解は根本的解決になりません。闇金同士つながりがあります。闇金利用者の個人情報を販売している専門の業者もあるほどです。元金和解をしてしまうと「脅せば元金和解に応じる」と認識され新たな闇金のターゲットとなってしまいます。
闇金との交渉に強い弁護士に相談をしましょう。必ず個人で繋がることは避けなければなりません。